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炭素鋼とは?特徴や種類・用途を詳しく解説

炭素鋼は、鉄に炭素を添加した最も基本的な鋼鉄です。その特性や種類、用途について詳しく解説します。

炭素鋼は、含まれる炭素量によっていくつかの種類に分類されます。

  • SS材:炭素量0.15%以下で、軟鋼とも呼ばれます。加工性に優れ、一般構造用鋼材として広く使用されています。
  • S-C材:炭素量0.15~0.35%で、中炭鋼とも呼ばれます。強度と靭性のバランスが良く、機械部品やボルトなどにも使用されます。
  • SPC材:炭素量0.35~0.60%で、高炭鋼とも呼ばれます。硬度が高く、刃物やばねなどにも使用されます。
  • SK材:炭素量0.60~1.00%で、工具鋼とも呼ばれます。非常に硬度が高く、ドリルやタガネなどにも使用されます。

炭素鋼は、炭素量が増加するにつれて強度が増し、硬度も高くなります。しかし、炭素量が増加すると同時に塑性や靭性が低下する傾向があります。

炭素鋼は、その特性に応じて様々な用途に使用されています。SS材は、一般構造用鋼材として橋梁や建築物に使用されています。S-C材は、機械部品やボルトなど、強度と靭性が必要な用途に使用されています。SPC材は、刃物やばねなど、硬度が必要な用途に使用されています。SK材は、ドリルやタガネなど、非常に硬度が必要な用途に使用されています。

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目次

炭素鋼の分類と特性|炭素鋼の種類と特徴を解説

炭素鋼は、鉄鋼製品の中で最も一般的な種類であり、鉄と炭素を主な成分とする合金鋼のことです。炭素含有量によって特性が異なり、さまざまな用途に用いられています。

炭素鋼の特性は、炭素含有量によって大きく異なります。一般的に、炭素含有量が増加するにつれて、強度、硬度、耐摩耗性が高くなりますが、延性、靭性、加工性が低下します。

炭素鋼は、炭素含有量によって以下のように分類されます。

  • 極低炭素鋼 (0.05%以下): 延性が良く加工性に優れています。冷延鋼板、鋼管、線材などに使われます。
  • 低炭素鋼 (0.05% – 0.25%): 強度と靭性が高く、溶接性に優れています。機械部品、構造物などに使われます。
  • 中炭素鋼 (0.25% – 0.60%): 強度と靭性が高く、耐摩耗性に優れています。工具、ベアリングなどに使われます。
  • 高炭素鋼 (0.60% – 1.00%): 強度と硬度が高く、耐摩耗性に優れています。バネ、刃物などに使われます。
  • 超高炭素鋼 (1.00%以上): 強度と硬度が極めて高く、耐摩耗性に優れています。特殊工具などに使われます。

炭素鋼の種類と特徴を以下に示します。

種類 特徴 用途
SS材 延性が良く加工性に優れている 冷延鋼板、鋼管、線材
S-C材 強度と靭性が高く、溶接性に優れている 機械部品、構造物
SPC材 冷間加工性に優れ、表面処理がしやすい 自動車部品、家電製品
SK材 強度と靭性が高く、耐摩耗性に優れている 工具、ベアリング

炭素鋼は、炭素含有量によって特性が異なるため、用途によって適切な種類を選択することが重要です。

炭素鋼の特性とは?

炭素鋼は、鉄と炭素を主成分とする鉄合金です。炭素含有量によって様々な特性を持ち、用途も広範囲にわたっています。

炭素含有量は、一般的に0.05~2.0%程度です。炭素含有量が増加するほど、硬度や強度は上昇しますが、延性や靭性は低下します。

炭素鋼は鉄と炭素以外にも、マンガン、リン、硫黄などの微量元素が含まれています。これらの成分は、機械的特性や加工性に影響を与えます。

炭素鋼は、鉄鋼材料の中でも強度の高い材料です。特に高炭素鋼は、焼入れや焼き戻しなどの熱処理を施すことで、さらに強度を高めることができます。

炭素鋼は様々な用途に使用される汎用性の高い材料です。その特性を理解することで、より効果的に利用することができます。

炭素鋼の炭素含有量について

炭素鋼の炭素含有量は、その特性を大きく左右する要素の一つです。炭素含有量によって、強度、硬さ、靭性などの特性が変化し、用途も異なります。

炭素鋼の炭素含有量は、一般的には0.05%から1.5%程度です。含有量が増加するほど、強度や硬度は上昇しますが、同時に靭性や加工性は低下します。

以下、炭素含有量による炭素鋼の種類とその特徴をまとめます。

  • 低炭素鋼 (0.05% – 0.3%): 加工性と靭性に優れ、機械部品や建築材料などに広く用いられます。
  • 中炭素鋼 (0.3% – 0.6%): 強度と靭性のバランスが良く、シャフトや歯車などの機械部品に使用されます。
  • 高炭素鋼 (0.6% – 1.5%): 高い強度と硬さを持ち、刃物やバネなどの用途に使われます。

用途に合わせて炭素含有量を選択することで、最適な特性を実現することができます。

炭素鋼の組成と成分

炭素鋼は、鉄と炭素を主な成分とする鉄鋼材料の一種です。炭素含有量によって性質が大きく変わるため、用途に応じて最適な組成を選ぶ必要があります。

<炭素含有量による分類>

炭素鋼は、炭素含有量によって以下のように分類されます。

  • 極低炭素鋼: 炭素含有量0.05%以下。加工性に優れ、冷間圧延に適しています。
  • 低炭素鋼: 炭素含有量0.05~0.25%。一般的な構造用鋼材で、溶接性と機械的性質のバランスが良いです。
  • 中炭素鋼: 炭素含有量0.25~0.60%。強度が高く、機械的性質に優れています。
  • 高炭素鋼: 炭素含有量0.60~1.00%。非常に硬く、耐摩耗性に優れています。
  • 超高炭素鋼: 炭素含有量1.00%以上。硬度はさらに高いですが、脆性も高くなります。

<その他の成分>

炭素以外にも、以下の成分が添加されることもあります。

  • マンガン: 脱硫剤として添加され、鋼の強度や延性を向上させます。
  • リン: 脆性を高めるため、通常は低く抑えられます。
  • イオウ: 切削性を向上させますが、鋼の強度を低下させます。
  • ケイ素: 脱酸剤として添加され、鋼の強度や耐熱性を向上させます。

これらの成分の組み合わせによって、炭素鋼の性質は大きく変化します。用途に応じた最適な組成を選ぶことで、高い性能を発揮することができます。

炭素鋼の強度について

炭素鋼の強度は、含まれる炭素の量によって変化します。炭素含有量が多くなると、鋼の硬度と強度は上昇しますが、同時に延性と靭性は低下します。

一般的に、炭素含有量が0.3%以下の軟鋼は加工性に優れており、比較的容易に曲げたり切断したりすることができます。 一方、炭素含有量が0.3%を超える硬鋼は強度と硬度が高くなりますが、加工が困難になります。

炭素鋼の具体的な強度は、JIS規格などで規定されており、SS材、S-C材、SPC材、SK材など、用途に応じていくつかの種類に分類されます。

例えば、SS材は一般的な構造用鋼であり、炭素含有量は0.15%以下と低く、機械的性質のバランスに優れています。一方、S-C材は炭素含有量が0.25%前後とやや高いため、SS材よりも強度と硬度が向上しています。

このように、炭素鋼の強度は含まれる炭素の量によって調整することができ、用途に応じて最適な材料を選択することが重要です。

SS材の特徴とは?

SS材は、炭素鋼の一種であり、一般的に他の炭素鋼よりも硫黄含有量が多いことが特徴です。SS材は、機械的特性と加工性のバランスが良いため、さまざまな用途に使用されています。

SS材は、他の炭素鋼よりも加工性と溶接性に優れているため、切削や曲げなどの加工が必要な部品に適しています。また、強度も中程度であるため、構造材などにも使用されます。

ただし、SS材は耐食性に劣るため、屋外で使用する場合には注意が必要です。メッキなどの表面処理を施すことで、耐食性を向上させることができます。

<SS材の特徴>

特性 説明
炭素含有量 0.05~0.25%
加工性 良好
溶接性 良好
強度 中程度
耐食性 低い
用途 ボルト、ナット、シャフト、ギアなど

S-C材の特性について

S-C 材は、炭素鋼の一種であり、0.05~0.20%の炭素を含有しています。機械的特性に優れ、高い強度と靭性を備えています。また、加工性も良好で、溶接や切断などの加工が容易です。

S-C 材は、その特性から、さまざまな用途で使用されています。代表的な用途としては、自動車部品、機械部品、建築資材などがあります。これらの用途では、高い強度と靭性が求められるため、S-C 材は最適な材料です。

S-C 材の機械的特性は、炭素含有量に大きく影響されます。炭素含有量が多いほど、強度と硬度は高くなりますが、靭性は低下します。そのため、用途に応じて適切な炭素含有量を選択することが重要です。

さらに、S-C 材は熱処理によって特性を変えることができます。焼入れや焼き戻しなどの熱処理を行うことで、強度や靭性をさらに向上させることができます。

S-C 材は、その優れた特性から、幅広い用途で使用されており、今後も需要が拡大していくことが期待されます。

SPC材の特徴を紹介

SPC材とは、冷間圧延鋼板に溶融亜鉛めっきを施した鋼材のことです。表面に亜鉛メッキが施されているため、耐食性や塗装の密着性に優れています。また、加工性にも優れているため、さまざまな用途に使用されています。

SPC材は、鋼板の表面に施される亜鉛メッキの量によって、さらに以下の3種類に分類されます。

  • SPCC材: 表面に片面20g/m²の亜鉛メッキが施された鋼材
  • SPCE材: 表面に片面30g/m²の亜鉛メッキが施された鋼材
  • SPCZE材: 表面に片面40g/m²の亜鉛メッキが施された鋼材

このうち、SPCZE材は耐食性に特に優れているため、自動車の外板や建物の建材など、長期の使用が求められる用途に使用されています。

SPC材の主な特徴は以下の通りです。

  • 耐食性: 表面の亜鉛メッキが鋼板を腐食から守る
  • 塗装の密着性: 亜鉛メッキの表面は塗装との密着性が高いため、剥がれにくい
  • 加工性: 加工性が良いため、曲げたり切断したりする加工がしやすい
  • 溶接性: 溶接性も良好
  • 耐熱性: 亜鉛メッキの耐熱温度は400℃程度

SPC材は、その優れた特性から、さまざまな用途で使用されています。以下に主な用途例を挙げます。

  • 自動車外板
  • 建築材料(屋根、外壁、雨どいなど)
  • 家電製品
  • OA機器
  • 農業機械
  • 建設機械

SPC材を選ぶ際には、使用する環境や用途に合わせて、亜鉛メッキの量や鋼板の材質などを考慮する必要があります。耐食性が特に重要であれば、亜鉛メッキの量が多いSPCZE材を選択するのが良いでしょう。また、強度が求められる場合は、炭素含有量の多い鋼板を選択する必要があります。

SK材の特徴とは何か?

SK材は炭素鋼の中でも機械的性質に優れた材料です。主に、工具鋼や軸受鋼、機械部品などに使われています。SK材の特徴として以下の点があげられます。

  • 高強度: 炭素含有量が高いため、引っ張り強さや耐摩耗性に優れています。
  • 高靭性: 炭素含有量が低いものほど靭性に優れ、衝撃や振動に強い性質を持っています。
  • 加工性: 熱処理性や被削性に優れているため、容易に加工することができます。
  • 耐熱性: 高温に強く、耐熱性に優れた種類も存在します。

しかし、SK材は炭素含有量が高いため、錆びやすいという欠点もあります。そのため、防錆対策が必要になります。

SK材は用途によって、いくつかの種類に分類されます。

  • SK1: 高炭素鋼で、工具や軸受、機械部品などに使われます。
  • SK2: 中炭素鋼で、工具や軸受、機械部品などに使われます。
  • SK3: 低炭素鋼で、機械部品や構造物などに使われます。
  • SK4: 超低炭素鋼で、機械部品や構造物などに使われます。

それぞれ炭素含有量や機械的性質が異なるため、用途に応じて最適な種類を選択する必要があります。

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