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SS400の疲労限界とは?基礎知識から設計・寿命予測まで徹底解説

SS400の疲労限界とは?基礎知識から設計・寿命予測まで徹底解説

建築・土木・機械構造物で広く用いられる一般構造用鋼材、SS400。その安全性や耐久性を評価する上で重要となるのが疲労限界です。疲労限界とは、材料が無限回の繰り返し応力に耐えられる最大応力のことを指します。本記事では、SS400の疲労限界の基礎知識、測定方法、S-N曲線の理解、設計への活用方法、さらに耐久性向上策までを詳しく解説します。

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目次

SS400の基本特性と疲労限界の意味

SS400は引張強さ約400〜510MPa、降伏点約245MPaの炭素鋼で、加工性とコストのバランスが良く、鉄骨構造、機械部品、橋梁など幅広く使用されています。疲労限界とは、繰り返し荷重により亀裂が成長して破壊に至るのを防ぐために考慮すべき応力の上限です。繰返し応力がこの値を下回れば、理論上は無限回の繰返しでも破壊は発生しません。

疲労限界の基礎概念

疲労破壊は、材料内部の微細な欠陥や応力集中点から亀裂が成長する現象です。SS400では疲労限界がおおよそ160〜200MPaとされ、設計では安全率を考慮して応力を設定することが重要です。JIS規格では、疲労試験の標準手法も定められています。

SS400の疲労試験とS-N曲線

疲労限界を評価するためには標準化された試験が必要です。代表的な試験方法には、回転曲げ試験、引張圧縮試験、三点曲げ試験などがあります。結果はS-N曲線(応力-寿命曲線)として表されます。

応力振幅 (MPa) 繰返し回数 (回) 破断の有無
250 1×104 破断
200 5×105 破断
160 1×106 破断なし
SS400のS-N曲線の一例

応力集中と疲労破壊

穴あけ、角部、溶接部など応力集中が発生する箇所は、局所的に疲労限界が低下します。これを補正するため、設計では形状や寸法を工夫して応力集中を抑える必要があります。応力集中に対する対策に関しては、応力集中対策に関して解説で詳しく紹介しています。

SS400の設計への応用

橋梁、クレーン部材、回転シャフトなど、繰返し荷重がかかる構造物では、S-N曲線と安全係数を用いて疲労強度を評価します。さらに、表面処理や応力緩和技術を組み合わせることで、実際の耐久性を向上できます。

疲労強度向上の実務的手法

  • 表面研磨:微細な傷を除去し、疲労亀裂発生を抑制
  • ショットピーニング:表面に圧縮応力を導入し耐疲労性向上
  • 熱処理:焼入れ・焼戻しにより内部応力を調整
  • 溶接後の応力除去処理:局所的応力を軽減して亀裂進展を抑制

これらの対策により、SS400部材の寿命を設計上より安全に延ばすことが可能です。

よくある質問


SS400の疲労限界とは、繰返し応力に対して材料が破壊しない最大応力のことを指します。設計段階で安全な応力を決定するために用いられます。


疲労破壊は、材料内部の微細な欠陥や溶接部・角部などの応力集中から亀裂が進展することで起こります。SS400では応力集中を抑える設計が重要です。


表面研磨やショットピーニング、熱処理、溶接後の応力除去処理などにより、SS400の疲労耐久性を向上させることが可能です。

まとめ:SS400の疲労限界を理解して失敗しない設計を

SS400の疲労限界を正しく理解し、応力計算やS-N曲線、応力集中の補正、表面処理技術を組み合わせることで、安全で長寿命の設計が可能です。設計段階での知識が、製造・施工・使用段階での破損リスク低減に直結します。

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