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ポリアセタール樹脂(POM)とは

POM樹脂(ポリアセタール樹脂)は、高い結晶性と耐疲労性を備えるエンジニアリングプラスチックの一種です。本記事では、POM樹脂の基礎知識から、その種類、特徴、用途までを網羅的に解説します。POM樹脂の導入を検討している方や、POM樹脂についての理解を深めたい方に役立つ情報源となるでしょう。

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目次

POMポリアセタール樹脂の特性:高い結晶性と耐疲労性

POMポリアセタール樹脂は、高い結晶性と耐疲労性を持つエンジニアリングプラスチックです。この特性は、POMの使用範囲を広くし、さまざまな産業で利用されています。

POMは、機械的強度、剛性、耐衝撃性、耐薬品性、電気特性に優れています。また、摩擦係数が低く、自己潤滑性があるため、ベアリングやギアなどの摺動部品に適しています。

POMは、射出成形、押出成形、ブロー成形などの一般的な成形方法で加工することができます。また、機械加工性も良好で、切削、研削、穴あけなどの加工が可能です。

POMは、自動車、電気・電子機器、機械、医療機器、建築材料など、さまざまな産業で使用されています。特に、自動車の燃料系部品、電気・電子機器の絶縁部品、機械のベアリングやギア、医療機器のインプラントなど、耐久性と耐疲労性が求められる用途に多く使用されています。

POMの特性についてより詳しく知りたい場合は、以下のヘッドラインを参照してください。

  • POM(ポリアセタール)の略号と名称
  • POM(ポリアセタール)の化学式
  • POM(ポリアセタール)の物性特性
  • POMポリアセタール樹脂の加工特性

POM(ポリアセタール)の略号と名称

POM(ポリアセタール)は、ホルムアルデヒドの重合によって製造される熱可塑性樹脂です。正式名称はポリ(オキシメチレン)ですが、略称のPOMが広く用いられています。

POMは、結晶性が高く、剛性、耐衝撃性、耐薬品性に優れています。また、寸法安定性も高く、摺動特性にも優れているため、さまざまな用途に使用されています。

POMは、その優れた特性から、機械部品、自動車部品、家電製品部品、スポーツ用品、医療機器など、さまざまな分野で使用されています。

POMは、他の熱可塑性樹脂と比較して、以下の利点があります。

  • 高い結晶性と剛性
  • 優れた耐衝撃性
  • 優れた耐薬品性
  • 優れた寸法安定性
  • 優れた摺動特性
  • 加工性に優れている

POMは、他の熱可塑性樹脂と比較して、以下の欠点があります。

  • 耐熱性が低い
  • 吸水性が高い
  • 寸法精度が出にくい
  • 静電気発生しやすい

POMは、射出成形、押出成形、ブロー成形など、さまざまな方法で加工することができます。加工性は良好ですが、吸水性が高いため、乾燥してから加工する必要があります。また、寸法精度が出にくいので、金型の設計には注意が必要です。

POM(ポリアセタール)の化学式

ポリアセタール(POM)は、以下の化学式で表される熱可塑性樹脂です。

[CH2-O-CH2-CH2]n

n は繰り返し単位の数であり、通常は 100 から 1000 の範囲です。

この化学式は、メチレン(-CH2-)とオキシメチレン(-O-CH2-)が交互に結合している繰り返し単位を示しています。

また、POM は以下の特徴を持ちます。

  • 高い結晶性
  • 優れた耐疲労性
  • 低摩擦係数
  • 優れた寸法安定性
  • 耐薬品性

これらの特徴により、POM は以下のような用途に使用されています。

  • 機械部品
  • ギア
  • ベアリング
  • 自動車部品
  • 電気機器部品

POM は、その優れた特性により、様々な産業分野で広く使用されている重要な熱可塑性樹脂です。

POM(ポリアセタール)の物性特性

POM(ポリアセタール)は、優れた機械的特性、寸法安定性、耐薬品性を備えたエンジニアリングプラスチックです。 POM樹脂は、ポリオキシメチレン(POM)ホモポリマーと、他のモノマーとのコポリマーの2種類に分類されます。

POM樹脂の長所としては、高い機械的強度、剛性、硬度、耐摩耗性、耐衝撃性などが挙げられます。 また、寸法安定性にも優れており、湿気や温度変化の影響を受けにくいため、精密部品に使用されることが多いです。 さらに、耐薬品性も高く、溶剤や油などに対する耐性があります。

一方、POM樹脂の短所としては、耐熱性が低いことが挙げられます。 POM樹脂の耐熱温度は約170℃であり、高温環境では強度が低下してしまいます。 また、吸水性が高いため、水に触れるとわずかに膨張します。 さらに、POM樹脂は静電気を発生しやすい特徴があります。

POM樹脂は、自動車部品、家電製品、機械部品、医療機器など、様々な分野で使用されています。 高い機械的特性と寸法安定性、耐薬品性を必要とする用途に適しています。

POMポリアセタール樹脂の長所

POM樹脂は、優れた特性を持つエンジニアリングプラスチックとして、様々な分野で広く使用されています。その中でも、POM樹脂の代表的な長所を紹介します。

  • 高い機械的強度と剛性: POM樹脂は、高い機械的強度と剛性を備えています。これは、その結晶性の高さと、分子間の強い結合力によるものです。
  • 優れた耐疲労性: POM樹脂は、繰り返し負荷がかかっても破損しにくい性質を持っています。これは、結晶構造が疲労に対して強い抵抗力を持つためです。
  • 高い耐摩耗性: POM樹脂は、摩擦係数が小さく、摩耗に強い性質を持っています。これは、分子構造が滑りやすく、摩耗粉が発生しにくいことが理由です。
  • 優れた耐薬品性: POM樹脂は、多くの薬品に対して耐性があります。これは、分子構造が化学的に安定しているためです。
  • 高い寸法安定性: POM樹脂は、温度変化や湿度変化による寸法変化が小さい性質を持っています。これは、結晶性の高さによるものです。
  • 電気的絶縁性に優れている: POM樹脂は、電気絶縁性に優れており、電気部品や絶縁材として使用されています。
  • 加工性が良い: POM樹脂は、射出成形や押出成形など、様々な加工方法に適しています。
  • 低コスト: POM樹脂は、他のエンジニアリングプラスチックに比べて比較的低コストです。

これらの長所により、POM樹脂は、機械部品、自動車部品、電子部品、医療機器、日用品など、様々な分野で幅広く使用されています。

POMポリアセタール樹脂の短所

POMポリアセタール樹脂は優れた特性を持つ一方で、いくつかの短所も存在します。

POMポリアセタール樹脂の短所

  • 吸水性が高い:POMは吸水性が高く、湿度が高い環境下では水分を吸収して膨張し、寸法変化が起こります。これにより、機械的特性が低下する可能性があります。
  • 耐薬品性に劣る:POMは酸やアルカリなどの薬品に弱く、腐食する可能性があります。
  • 耐熱性に劣る:POMは耐熱性に優れていません。長期間高温環境下で使用すると、強度が低下したり、変形する可能性があります。
  • 加工性に劣る:POMは加工性が低く、切削加工や研磨加工が難しい場合があります。
  • 静電気が発生しやすい:POMは静電気を発生しやすい性質があります。

これらの短所を考慮した上で、用途に応じた適切な設計や材料選択を行う必要があります。

その他の短所

  • 着色が難しい
  • 表面が滑りやすい
  • 衝撃強度が低い

POMポリアセタール樹脂の短所を理解することで、用途に適した材料を選択し、適切な設計を行うことが可能になります。

POMポリアセタール樹脂の加工特性

POM(ポリアセタール樹脂)は、優れた機械的特性と加工性を備えたエンジニアリングプラスチックです。その結晶性と融点が加工性に大きな影響を与え、成形方法によって製品の品質が左右されます。

POMの加工には、射出成形、押出成形、切削加工などが用いられます。射出成形は、高生産性と複雑形状への対応が可能なため、最も一般的な方法です。POMの結晶化速度が速いため、金型の温度管理と冷却時間が重要となります。押出成形は、パイプや棒状の製品の製造に適しており、連続的な生産が可能です。切削加工は、高い精度が要求される部品の加工に用いられますが、POMの硬度が高いため、工具の摩耗に注意が必要です。

POMの利点は、高い結晶性による優れた機械的強度と剛性、耐疲労性とクリープ性に優れていること、自己潤滑性と耐薬品性があること、成形性と寸法安定性に優れていることです。しかし、吸水性が高く、寸法変化が生じる可能性があること、靭性に劣るため、衝撃荷重には注意が必要なこと、溶接性に乏しいという欠点もあります。

POMは、自動車部品、家電製品、機械部品など、幅広い分野で使用されています。その優れた特性と加工性を活かし、様々な用途で活躍しています。

POM樹脂のまとめ

本文のみを表示します。

POM樹脂は、耐久性と耐疲労性に優れたエンジニアリングプラスチックです。機械的強度が高く、摩擦係数が低いため、ベアリングやギアなどの機械部品に適しています。また、耐薬品性にも優れており、自動車や家電製品などの幅広い分野で使用されています。

POM樹脂には、ホモポリマーとコポリマーの2種類があります。ホモポリマーは結晶性が高く、剛性と耐衝撃性に優れています。コポリマーは結晶性が低く、柔軟性と加工性に優れています。

POM樹脂の主な特徴を以下にまとめます。

特徴 説明
高い結晶性 POM樹脂は結晶性が高く、剛性と耐衝撃性に優れています。
高い耐疲労性 POM樹脂は繰り返し荷重に強く、疲労破壊しにくいという特徴があります。
低い摩擦係数 POM樹脂は摩擦係数が低いため、ベアリングやギアなどの機械部品に適しています。
優れた耐薬品性 POM樹脂は耐薬品性に優れており、多くの溶剤や化学薬品に耐えることができます。
優れた加工性 POM樹脂は射出成形や押出成形など、様々な加工方法で成形することができます。

POM樹脂は、耐久性と耐疲労性に優れたエンジニアリングプラスチックです。機械的強度が高く、摩擦係数が低いため、ベアリングやギアなどの機械部品に適しています。また、耐薬品性にも優れており、自動車や家電製品などの幅広い分野で使用されています。

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