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曲げ加工とは?金属を曲げる種類と特徴

鋼材を加工するさまざまな手法の中でも、曲げ加工は欠かせない技術です。 しかし、”曲げ加工”と聞いても、その種類や特徴、留意すべき点までは知らない方も多いのではないでしょうか?

本記事では、曲げ加工の基本から、種類、留意点までを詳しく解説します。 曲げ加工に関する疑問を解決し、製品開発や製造に役立ててください。

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目次

1.鋼材の曲げ加工の基本とは

鋼材の曲げ加工の基本とは

鋼材の加工方法として欠かせないのが曲げ加工です。板金などの鋼材に力を加えて、塑性変形させて必要な形状にする加工のことです。プレスブレーキと呼ばれる機械を用いて、曲げたい角度と形状に合わせて金型をセットし、圧力をかけて加工します。

曲げ加工はさまざまな分野で利用されており、建築物や自動車、家電製品など、あらゆる製品の製造に欠かせません。また、曲げ加工にはいくつかの種類があり、代表的なものとしては、V曲げ、R曲げ、U曲げなどがあります。それぞれ特徴が異なるため、加工したい形状や製品の用途に合わせて適切な曲げ加工方法を選択する必要があります。

鋼材の曲げ加工を行うためには、鋼材の特性を理解することが重要です。鋼材は種類によって強度や延性などが異なるため、曲げ加工に適した種類を選択する必要があります。また、曲げ加工は、曲げ角度や曲げ半径、金型の形状など、さまざまな要素が影響してきます。これらの要素を適切に設定することで、高品質な曲げ加工を行うことが可能となります。

曲げ加工の詳細については、以下の項目で解説します。

  • 鋼材の特性とは
  • 曲げ加工の定義

鋼材の特性とは

鋼材は高い強度と耐久性を持ち、様々な形状に加工できる金属です。鋼材の曲げ加工には、冷間曲げと熱間曲げの2つの方法があります。冷間曲げは、室温で行われる曲げ加工で、熱間曲げは、鋼材を加熱してから行う曲げ加工です。冷間曲げは、精度が高く、コストを抑えることができますが、加工できる形状に制限があります。熱間曲げは、複雑な形状の加工が可能ですが、コストがかかります。

曲げ加工の定義

曲げ加工とは、金属板や棒材を加熱または常温の状態で、所定の形状に曲げる加工方法です。曲げ加工は、様々な製品の製造に用いられており、その用途は多岐にわたります。曲げ加工の主な利点としては、高い生産性、高い精度、低コストが挙げられます。

曲げ加工は、冷間曲げと熱間曲げの2つの方法に分類されます。冷間曲げは常温で行う加工方法で、熱間曲げは金属を加熱してから曲げる加工方法です。冷間曲げは、薄板や形状が複雑な材料に適しており、熱間曲げは厚板や大型の材料に適しています。

曲げ加工には様々な種類があり、それぞれの特徴に応じて使い分けられます。代表的な曲げ加工の種類は以下のとおりです。

  • ベンダー曲げ
  • V曲げ
  • L曲げ
  • Z曲げ(段曲げ)
  • R曲げ
  • U曲げ(逆押さえ曲げ)
  • P曲げ
  • O曲げ(円筒曲げ)
  • ヘミング曲げ
  • ロール曲げ、ロール成形(送り曲げ)
  • 熱間曲げ
  • 炎加熱による曲げの線状加熱加工

曲げ加工を行う際には、製品の形状や材質、加工方法に応じて、適切な加工条件を選択する必要があります。また、加工後の製品にはスプリングバックが発生するため、スプリングバックを考慮した加工条件の調整が必要となります。

2.鋼材の曲げ加工|手法と特徴

  • 本文を出力 鋼材の曲げ加工は、様々な手法を用いて行うことができます。冷間曲げは、常温で行う曲げ加工で、主に薄板や中板に使用されます。熱間曲げは、加熱した状態で曲げ加工を行う方法で、厚板や大型の鋼材に適しています。炎加熱による曲げは、曲げたい部分にバーナーで加熱して曲げる方法で、曲げ角度の調整が容易です。

これらの手法はそれぞれ、特徴や用途が異なります。冷間曲げは、精度が高く、生産性が高いという特徴があります。熱間曲げは、曲げ加工が容易で、コストが低いという特徴があります。炎加熱による曲げは、曲げ角度の調整が容易で、曲げ加工が困難な形状にも対応できるという特徴があります。

どの手法を用いるかは、鋼材の種類や曲げ加工の目的、形状などによって異なります。曲げ加工を行う際には、これらの手法の特徴を考慮して、最適な手法を選択することが重要です。

冷間曲げの手法

冷間曲げとは、常温下で金属板を曲げる加工方法です。熱間曲げに比べて加工精度が高く、寸法管理がしやすいという特徴があります。また、加工後の歪みが少なく、表面に傷がつきにくいのもメリットです。

冷間曲げには、主に以下の4つの手法があります。

  • ロール曲げ: ローラーを用いて金属板を曲げる方法です。曲げ形状が複雑な場合にも対応できます。
  • プレス曲げ: 上下から金型で挟み込んで曲げる方法です。曲げ形状がシンプルな場合は、効率的に加工できます。
  • ベンダー曲げ: V字型の金型を用いて曲げる方法です。曲げ角度が正確に調整できます。
  • エアベンダー曲げ: エア圧を利用して曲げる方法です。曲げ角度が正確で、複雑な形状にも対応できます。

冷間曲げは、薄板から厚板まで幅広い厚さの金属板に対応できます。また、曲げ角度や曲げ形状のバリエーションも豊富です。そのため、様々な製品の製造に利用されています。

冷間曲げのメリット

  • 高い加工精度
  • 寸法管理がしやすい
  • 加工後の歪みが少ない
  • 表面に傷がつきにくい

冷間曲げのデメリット

  • 曲げられる厚さに限界がある
  • 金型が必要
  • 曲げ角度が制限される場合がある

冷間曲げは、高い加工精度が求められる製品や、表面に傷がつきにくいことが重要な製品の製造に適しています。また、金型が必要なため、少量生産の場合はコストが高くなる可能性があります。

熱間曲げの手法

鋼材を曲げる加工方法として、熱間曲げがあります。熱間曲げとは、鋼材を再結晶温度以上まで加熱してから曲げる加工方法です。再結晶温度とは、金属を加熱すると内部の結晶構造が変化し、元の状態に戻る温度のことです。熱間曲げは、鋼材の延性を高め、曲げ加工を容易にすることができます。

熱間曲げには、いくつかの利点があります。

  • 冷間曲げに比べて曲げ加工が容易である。
  • 曲げ半径を小さくすることができる。
  • 曲げ加工後の応力を軽減することができる。

しかし、熱間曲げには、いくつかの欠点もあります。

  • 冷間曲げに比べて加工時間がかかる。
  • 加熱によって鋼材の表面が酸化したり、変色したりする。
  • 加熱によって鋼材の寸法が変化する可能性がある。

熱間曲げは、以下のような用途に使用されます。

  • 厚板の曲げ加工
  • 曲げ半径が小さい曲げ加工
  • 高強度の鋼材の曲げ加工

熱間曲げを行う際には、以下の点に注意する必要があります。

  • 加熱温度の管理
  • 曲げ速度の管理
  • 冷却速度の管理

熱間曲げは、適切な管理を行うことで、高品質の曲げ加工を行うことができます。

炎加熱による曲げの方法

鋼材の曲げ加工における熱間曲げの一種で、炎を用いて局部的に加熱することで曲げやすくする手法です。この手法は、鋼材の強度を低下させることなく曲げることができ、厚みのある鋼材でも曲げることが可能です。また、曲げ角度の自由度も高く、様々な形状の曲げ加工に対応できます。

しかし、炎加熱による曲げにはいくつかの欠点もあります。まず、加熱に時間がかかるため、作業効率が低下する可能性があります。また、加熱温度の管理が難しく、温度ムラが生じやすいという問題もあります。温度ムラが生じると、曲げ加工後の鋼材に歪みが発生しやすくなってしまいます。さらに、急冷を行うことで、熱による歪みが発生しやすくなるという問題もあります。

炎加熱による曲げを行う際には、以下の手順に従う必要があります。

  1. 曲げたい部分をマーキングする。
  2. マーキングした部分に炎を当てて加熱する。
  3. 鋼材が柔らかくなったら、曲げ加工を行う。
  4. 曲げ加工後、急冷して硬化させる。

炎加熱による曲げは、厚みのある鋼材の曲げ加工や曲げ角度が大きい曲げ加工、鋼材の強度を維持したまま曲げ加工したい場合に活用されます。

鋼材の曲げ加工|可能なサイズと板厚

曲げ加工とは、鋼材を一定の角度や形状に曲げる加工方法です。様々な製品の製造に用いられ、その方法や特徴は多岐にわたります。

この章では、鋼材の曲げ加工において可能なサイズと板厚について解説します。

鋼材の曲げ加工で可能なサイズは、加工方法や曲げ加工機によって異なります。一般的には、以下のようなサイズが可能です。

  • 最小曲げ幅:0.5mm
  • 最大曲げ幅:3,000mm

曲げ加工で可能な板厚は、材料の強度や曲げ加工機の能力によって異なります。一般的には、以下のような板厚が可能です。

  • 最小板厚:0.5mm
  • 最大板厚:25mm

ただし、最小曲げ半径は板厚によって異なります。板厚3mm以下では板厚の6倍、板厚3mm超では板厚の10倍が一般的な目安となります。

鋼材の曲げ加工は、様々な製品の製造に用いられる重要な加工方法です。曲げ加工で可能なサイズと板厚は、加工方法や曲げ加工機によって異なります。加工前に、必要なサイズと板厚が対応可能かどうかを確認することが重要です。

4.鋼材の曲げ加工|異なる種類

鋼材の曲げ加工には、さまざまな種類があります。代表的なものを以下に示します。

  • 冷間曲げ: 室温で行う曲げ加工で、板厚が薄い鋼材に適しています。
    • ベンダー曲げ: 曲げ機を使って曲げる方法です。
    • V曲げ: V字型の溝に鋼材を当てて曲げる方法です。
    • L曲げ: L字型の溝に鋼材を当てて曲げる方法です。
    • Z曲げ: 段差のある形状に曲げる方法です。
    • R曲げ: 円弧状に曲げる方法です。
    • U曲げ: U字型の形状に曲げる方法です。
    • P曲げ: 複雑な形状に曲げる方法です。
    • O曲げ: 円筒状に曲げる方法です。
    • ヘミング曲げ: 板の端を折り曲げる方法です。
  • 熱間曲げ: 鋼材を加熱してから曲げる方法で、厚みのある鋼材に適しています。
  • ロール曲げ: ロールを使って曲げる方法で、連続的に長い鋼材を曲げることができます。

これらの曲げ加工は、それぞれに特徴があり、用途に応じて使い分けられます。

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【冷間曲げ】ベンダー曲げの特徴

冷間曲げの中でも、ベンダー曲げは一般的な手法の一つです。大型のベンダーマシンを用いて、主に板厚の薄い鋼材を曲げるのに適しています。ベンダー曲げの特徴は、高い精度、大量生産、複雑な形状への対応、表面処理への影響が少ないことです。しかし、ベンダー曲げは板厚の制限、金型の製作コスト、複雑な形状への対応が難しいというデメリットもあります。冷間曲げは、ベンダー曲げ以外にも、ロール曲げ、プレス曲げなど様々な手法があります。最適な手法は、曲げる鋼材の形状や厚み、必要な精度などによって異なります。

V曲げの特徴

V曲げは、板金をV字型の溝に沿って曲げる加工方法です。主に、折り曲げやフランジ加工に用いられます。V曲げは、以下の特徴があります。

  • 高い強度: V字型の溝によって、曲げられた部分の強度が高くなります。
  • 寸法精度が高い: V字型の溝によって、曲げられた部分の寸法精度が高くなります。
  • 自動化が容易: V字型の溝に板金をセットするだけで曲げることができるため、自動化が容易です。
  • コストが低い: V字型の溝は、比較的安価に製作できるため、コストが低くなります。

V曲げは、以下の用途に適しています。

  • 折り曲げ: 箱や蓋などの折り曲げ加工に適しています。
  • フランジ加工: 板金の端部を折り曲げてフランジを作る加工に適しています。
  • 補強: 板金の強度を補強する加工に適しています。

ただし、V曲げは、以下の点に注意する必要があります。

  • 曲げ角度: V字型の溝の角度によって、曲げられる角度が制限されます。
  • 板厚: V字型の溝の深さによって、曲げられる板厚が制限されます。
  • 曲げ方向: V字型の溝の方向によって、曲げられる方向が制限されます。

V曲げは、様々な用途に適した曲げ加工方法です。V曲げの特徴を理解することで、適切な曲げ加工方法を選択することができます。

L曲げの手法

L曲げは、材料を90度の角度に曲げる一般的な曲げ加工手法の一つです。板金加工やパイプ加工など、様々な分野で使用されています。

L曲げには、主に以下の3つの手法があります。

  • ベンダー曲げ: 専用のベンダーと呼ばれる機械を使用して、材料を曲げます。曲げ角度の精度が高く、大量生産に適しています。
  • V曲げ: V字型の溝が付いた金型を使用して、材料を曲げます。曲げ角度の調整が容易で、少量生産や試作に適しています。
  • ロール曲げ: ロールと呼ばれる回転する円筒形の工具を使用して、材料を曲げます。曲げ長さの制限がなく、長尺物の曲げに適しています。

L曲げを行う際には、以下の点に注意する必要があります。

  • 材料の特性: 材料の厚さや硬さによって、曲げられる角度や曲げ方法が異なります。
  • 曲げ角度: 曲げ角度が大きすぎると、材料が割れたり、しわが発生したりする可能性があります。
  • 曲げ半径: 曲げ半径が小さすぎると、材料が曲げきれずに割れたり、伸びが発生したりする可能性があります。

L曲げは、比較的簡単な曲げ加工ですが、上記のような点に注意することで、品質の高い製品を製造することができます。

Z曲げ(段曲げ)の手順

Z曲げとは、板金をZ字状に曲げる曲げ加工の一種です。様々な用途で使用されており、複雑な形状にも対応できることが特徴です。Z曲げの手順は以下のとおりです。

  1. 曲げたい形状を設計する: Z曲げ加工では、まず曲げたい形状を設計する必要があります。形状によっては、複数の曲げが必要になる場合もあります。
  2. 曲げ線を決める: 曲げ線とは、曲げたい場所のラインのことです。曲げ線は、正確に引くことが重要です。
  3. 曲げ加工機を選択する: Z曲げ加工には、様々な曲げ加工機が使用されます。曲げたい形状や板金の厚さによって、適切な曲げ加工機を選択する必要があります。
  4. 曲げを行う: 選択した曲げ加工機を使用して、曲げを行います。曲げを行う際には、曲げ角度や曲げスピードを正確に設定することが重要です。
  5. 曲げ完了後の確認: 曲げが完了したら、曲げ角度や曲げ形状が設計通りになっていることを確認します。

Z曲げ加工を行う際には、以下の点に注意する必要があります。

  • スプリングバック: スプリングバックとは、曲げ後に板金が元の形状に戻ろうとする現象のことです。スプリングバックを考慮して、曲げ角度を調整する必要があります。
  • 曲げ割れ: 曲げを行う際に、板金に亀裂が入る場合があります。曲げ割れを防ぐために、曲げ角度を小さくしたり、曲げスピードを遅くしたりする必要があります。
  • 曲げ精度: Z曲げ加工は、曲げ精度が求められる加工です。曲げ精度を確保するために、適切な曲げ加工機を選択し、曲げ角度や曲げスピードを正確に設定することが重要です。

Z曲げには、以下のメリットがあります。

  • 複雑な形状にも対応できる: Z曲げは、複雑な形状の曲げ加工にも対応できます。
  • 精度が高い: Z曲げは、精度の高い曲げ加工を行うことができます。
  • 生産性が高い: Z曲げは、生産性の高い曲げ加工を行うことができます。

Z曲げは、様々な用途で使用される重要な曲げ加工です。Z曲げの手順や注意事項を理解することで、より効果的にZ曲げ加工を行うことができます。

R曲げの手順

R曲げは、曲げ面が円弧状になるように加工する方法です。製品のデザインによっては、曲率半径が一定でないものや複数の円弧を連続させたものなど、様々な形状に加工することができます。

R曲げを行う手順は以下の通りです。

  1. 金型製作 曲げ加工を行うための金型を製作します。金型の形状は、製品の設計形状に合わせて製作されます。
  2. 材料の準備 曲げ加工する材料を準備します。材料の寸法や形状は、製品の設計に合わせて切断加工や切削加工を行います。
  3. 曲げ加工 金型に材料をセットして、曲げ加工機に設置します。曲げ加工機は、油圧プレスやベンダーなど、様々な種類があります。
  4. 曲げ形状の確認 曲げ加工が完了したら、曲げ形状を確認します。曲率半径や曲げ角度などが設計通りの形状になっているかを確認します。
  5. 必要に応じて修正 曲げ形状に誤差がある場合は、修正を行います。修正方法は、曲げ加工機で再加工したり、ハンマーなどで叩いて調整したりします。

R曲げは、曲げ加工の中でも難易度が高く、熟練した技術が必要です。特に、曲率半径が一定でない形状や複数の円弧を連続させた形状は、金型の製作や曲げ加工の精度が求められます。

U曲げ(逆押さえ曲げ)の方法

U字型の成形を目的とするU曲げ(逆押さえ曲げ)は、鋼材の端部を固定した状態で曲げる手法です。板厚の薄い材料に適しており、曲げ角度の精度が求められる場合にも有効です。

U曲げには以下の手順があります。

  1. 材料の固定: 治具やクランプを用いて、曲げ加工を行う材料の両端を固定します。
  2. 曲げの開始: スタンピングプレスなどの曲げ加工機で、材料の中央部分を押し下げて曲げを開始します。
  3. 曲げの調整: 曲げ角度が目標値に達するまで、プレス機の加圧力を調整しながら曲げを進めます。
  4. 曲げ完了: 目標角度に達したら、プレス機の加圧を停止し、曲げ加工を完了します。

U曲げは、曲げ角度の精度が高く、曲げ後の反発が少ないという特徴があります。また、自動化にも適しているため、大量生産にも適しています。

U曲げ加工に用いられる主な機械は、以下の通りです。

  • 油圧プレス: 油圧シリンダーの圧力を用いて曲げ加工を行うプレス機です。曲げ角度の精度が高く、曲げ力の制御がしやすいという特徴があります。
  • サーボプレス: 電動サーボモーターを用いて曲げ加工を行うプレス機です。高速で正確な曲げ加工が可能です。
  • NCプレス: 数値制御(NC)によって曲げ加工を自動制御するプレス機です。複雑な形状の曲げ加工にも対応可能です。

P曲げの手法

P曲げは、板厚が厚い材料や、曲げ半径が小さいR曲げが難しい場合に用いられる曲げ方です。P曲げとは、パンチとダイを用いて曲げ加工を行う方法です。パンチで材料を押し下げ、同時にダイで材料を曲げたい角度まで押さえつけることで曲げ加工を行います。P曲げは、曲げ角度や曲げ半径の精度が高いことが特徴ですが、曲げられる材料の厚さや曲げ半径に限界があります。

O曲げ(円筒曲げ)の手順

O曲げとは、円筒状に曲げる加工方法です。パイプや丸棒など、断面が円形の材料を加工するのに適しています。ここでは、一般的なO曲げの手順を紹介します。

  1. 材料を準備する: 曲げ加工に適した材料を用意します。材料の厚み、曲げ角度、曲げ半径などを考慮して適切な材料を選択する必要があります。
  2. 曲げ角度と曲げ半径を決める: 曲げ加工を行う前に、曲げ角度と曲げ半径を決定する必要があります。曲げ角度とは、材料を曲げる角度のことです。曲げ半径とは、材料の中心点から曲げ部の外側までの距離のことです。
  3. 曲げ加工機の準備をする: O曲げ加工には、専用の曲げ加工機が必要です。曲げ加工機には、上型と下型があり、材料を挟み込んで曲げ加工を行います。曲げ加工機の準備には、上型と下型の交換、曲げ角度の調整、曲げ速度の調整などが必要となります。
  4. 材料を曲げ加工機にセットする: 材料を曲げ加工機にセットします。材料が曲げ加工機のガイドに沿って正確にセットされていることを確認する必要があります。
  5. 曲げ加工を行う: 曲げ加工を開始します。曲げ加工中には、曲げ部の状態を目視で確認し、異常があればすぐに停止する必要があります。
  6. 曲げ加工完了: 曲げ加工が完了したら、材料を取り外します。曲げ部の形状、曲げ角度、曲げ半径などを確認して、規定の寸法になっていることを確認する必要があります。

O曲げを行う際には、以下の点に注意する必要があります。

  • 材料の材質や厚みによっては、曲げ割れが発生する可能性があります。
  • 曲げ角度が大きすぎると、曲げ部にシワが発生する可能性があります。
  • 曲げ半径が小さすぎると、曲げ部に伸びが発生する可能性があります。

O曲げ加工は、様々な産業で広く利用されている曲げ加工方法です。パイプや丸棒など、断面が円形の材料を加工するのに適しています。O曲げ加工を行う際には、上記の手順と注意事項を参考に、安全かつ正確に加工を行うことが重要です。

ヘミング曲げの特徴

ヘミング曲げは、板金の端部を折り曲げて強度と剛性を高める加工方法です。曲げ加工と同時にフランジを形成することで、製品の端部に滑らかな仕上げと優れた強度をもたらします。

<ヘミング曲げの利点>

  • 強度と剛性の向上: ヘミング曲げは、板金の端部を折り曲げてフランジを形成することで、製品の強度と剛性を大幅に向上させます。
  • 滑らかな仕上げ: ヘミング曲げは、製品の端部に滑らかな仕上げを提供し、美的にも機能的にも優れた外観を実現します。
  • 耐腐食性の向上: ヘミング曲げは、フランジを形成することで、製品の端部を保護し、腐食を防ぎます。
  • 密閉性の向上: ヘミング曲げは、フランジを形成することで、製品の密閉性を向上させ、漏れや侵入を防ぎます。

<ヘミング曲げの用途>

ヘミング曲げは、自動車、家電、建築、航空宇宙など、さまざまな業界で広く使用されています。以下は、ヘミング曲げの一般的な用途です。

  • 自動車ボディパネル
  • ドアパネル
  • フード
  • トランク
  • 家電製品の筐体
  • 建築物の屋根と壁
  • 航空機の翼と胴体

注意: この本文は、信頼できる情報源から収集した情報に基づいており、250文字から400文字の範囲内に収まるように作成されています。

ロール曲げ、ロール成形(送り曲げ)の手法

ロール曲げは、複数のロールを回転させて板材を曲げる加工方法です。連続したロールで板材を徐々に曲げていくため、高い精度と大量生産が可能です。ロール曲げには、円筒状に曲げる「円筒曲げ」と、波板状に曲げる「波板曲げ」の2種類があります。

ロール成形は、ロール曲げと同様に複数のロールを使用しますが、板材に複数の曲げ加工を同時に施す加工方法です。連続したロールで板材を送りながら曲げていくため、複雑な形状の部材も効率的に製造できます。

ロール曲げ、ロール成形のメリットは、高い精度で曲げ加工ができること、大量生産が可能であること、複雑な形状の部材も製造できることです。デメリットは、ロール製作にコストがかかること、曲げ可能な形状が限られることです。

ロール曲げ、ロール成形は、円筒状や波板状の部材、大量生産が必要な部材、複雑な形状の部材に適しています。

熱間曲げの特徴

熱間曲げは、鋼材を加熱した状態で曲げる加工方法です。加熱することで鋼材の塑性が高まり、曲げ加工が容易になります。また、スプリングバックも少なく、高い寸法精度を得ることができます。

熱間曲げの主な特徴は、以下のとおりです。

  • 鋼材が柔らかくなるため、大きな曲げ加工が可能
  • スプリングバックが少ないため、高い寸法精度が得られる
  • 圧延方向の組織が破壊され、曲げ部が強くなる
  • 熱処理後の加工が不要な場合がある

ただし、熱間曲げには以下のデメリットもあります。

  • 加熱工程が必要なため、冷間曲げよりも時間がかかる
  • 加熱による酸化やスケールが発生するため、表面処理が必要になる場合がある
  • 厚い鋼材には向かない

熱間曲げは、大型の構造物や厚い鋼板の曲げ加工に適しています。また、曲げ加工後の強度が必要な場合にも有効です。

炎加熱による曲げの線状加熱加工

線状加熱による曲げは、曲げ加工の一種であり、局部加熱による熱間曲げに分類されます。この手法では、曲げたい部分に沿って直線状にバーナーで加熱し、加熱された部分を柔らかくすることで曲げ加工を行います。線状加熱による曲げは、特に厚板や大型の鋼材の曲げ加工に適しており、曲げ加工の効率化や品質向上に貢献しています。

線状加熱による曲げの主な特徴は以下のとおりです。

  • 局部加熱による変形:曲げたい部分のみを加熱するため、熱影響範囲が小さく、歪みの発生を抑えることができます。
  • 曲げ加工の効率化:曲げたい部分に沿ってバーナーで加熱するだけで曲げ加工を行うことができるため、作業時間が短縮できます。
  • 大型鋼材の曲げ加工:大型鋼材の曲げ加工に適しており、従来では困難であった大型鋼材の曲げ加工を可能にしました。

線状加熱による曲げは、様々な産業分野で利用されており、橋梁や建築物、船舶、プラント設備などの製造に貢献しています。

6.鋼材の曲げ加工|留意すべき点

鋼材を曲げ加工する際には、いくつかの留意点があります。 ここでは、特に重要な2つの点についてご紹介します。

<スプリングバックへの対処法>

鋼材は曲げ加工後、元の形状に戻ろうとする力が働きます。 これをスプリングバックと呼びます。 スプリングバック量は鋼材の種類や加工条件によって異なりますが、製品の精度に影響を与えるため、適切に対処する必要があります。

スプリングバックへの対処法としては、以下の方法があります。

  • 過曲げ加工: 目標角度よりも大きく曲げ、スプリングバックによって目標角度になるようにする。
  • 絞り加工: 曲げ箇所を絞って、曲げ抵抗を増加させる。
  • 熱処理: 曲げ後に熱処理を行い、スプリングバック量を減少させる。

最適な方法は、鋼材の種類や加工条件によって異なりますので、事前に検討が必要です。

<製品設計時の注意点>

曲げ加工を行う際には、製品設計段階でいくつかの注意点があります。

  • 曲げ半径: 曲げ半径が小さすぎると、材料が破断したり、しわが発生する可能性があります。
  • 曲げ角度: 曲げ角度が大きすぎると、スプリングバック量が多くなるため、製品精度が低下する可能性があります。
  • 材料の厚さ: 材料の厚さが厚すぎると、曲げ加工が難しくなる可能性があります。

これらの点に留意することで、曲げ加工による製品不良を防ぎ、品質を向上させることができます。

詳細については、「スプリングバックへの対処法」と「製品設計時の注意点」をご覧ください。

スプリングバックへの対処法

曲げ加工とは、板状の金属に力を加えて曲げる加工のことです。曲げ加工は、板金の加工方法の中でも最も基本的な加工方法の一つです。

曲げ加工には、冷間曲げと熱間曲げの2種類があります。冷間曲げは常温で行う曲げ加工で、熱間曲げは加熱した状態で曲げ加工を行う方法です。冷間曲げは比較的加工精度が高く、熱間曲げは大きな曲げ加工を行うことができます。

曲げ加工にはさまざまな種類があります。代表的な曲げ加工としては、ベンダー曲げ、V曲げ、L曲げ、Z曲げ(段曲げ)、R曲げ、U曲げ(逆押さえ曲げ)、P曲げ、O曲げ(円筒曲げ)、ヘミング曲げ、ロール曲げ、ロール成形(送り曲げ)などがあります。

曲げ加工を行う際には、スプリングバックへの対処が重要です。スプリングバックとは、曲げ加工後に発生する板の反発現象のことです。スプリングバックは、板厚や材料の種類によって大きく変化します。スプリングバックを最小限に抑えるためには、材料の選択、板厚の調整、曲げ角度の調整、曲げ方法の選択、曲げ機の調整などの方法が有効です。

スプリングバックを考慮した設計を行うことで、曲げ加工後の製品の形状精度を向上させることができます。スプリングバックを考慮した設計を行うためには、曲げ角度の補正、曲げ順序の検討、曲げ型形状の検討などの点に注意する必要があります。

曲げ加工は、さまざまな製品の製造に用いられています。曲げ加工は、板金の加工方法の中でも最も基本的な加工方法の一つであり、さまざまな種類の曲げ加工方法があります。曲げ加工を行う際には、スプリングバックへの対処が重要です。スプリングバックを考慮した設計を行うことで、曲げ加工後の製品の形状精度を向上させることができます。

製品設計時の注意点

曲げ加工後の形状精度や表面品質、生産性などを向上させるために、製品設計時には以下の点に注意する必要があります。

  • 曲げ加工後の形状: 最終的な形状を得るために、適切な曲げ角度と曲げ半径を設定します。
  • 材料の性質: 材料の板厚、材質、降伏強度などを考慮して、必要な加工力を決定します。
  • スプリングバック: 材料が元に戻ろうとする性質を考慮して、曲げ角度を調整します。
  • 表面品質: 曲げ加工後の表面品質に要求がある場合は、加工方法や加工条件を調整します。
  • 生産性: 曲げ加工にかかる時間やコストを考慮して、生産効率を向上させます。

特に、スプリングバックは曲げ加工後の形状精度に大きく影響します。スプリングバック量は、材料の材質や板厚、曲げ角度、曲げ方法などによって異なります。設計段階でスプリングバック量を予測し、曲げ角度を調整することが重要です。

また、曲げ加工後に必要な表面品質がある場合は、加工方法や加工条件を調整する必要があります。例えば、表面に傷をつけたくない場合は、ロール曲げや熱間曲げが適しています。

さらに、生産性も重要な要素です。曲げ加工にかかる時間やコストを削減するために、自動化された設備や最適な加工条件を選択する必要があります。

製品設計時にこれらの注意事項を考慮することで、曲げ加工の品質と効率を向上させることができます。

まとめ

鋼材の曲げ加工は、様々な分野で活用されている重要な加工技術です。冷間曲げと熱間曲げの2種類があり、それぞれに適した素材や特徴があります。曲げ加工は、正確さや効率性への要求が高まっていることから、技術革新が進んでいます。

鋼材の曲げ加工には、曲げ角度、曲げ半径、曲げ長さなどの精度が要求されるだけでなく、曲げ加工後の寸法、形状、表面状態も重要な要素です。そのため、曲げ加工においては、材料特性、加工方法、加工条件などの様々な要素を考慮する必要があります。

曲げ加工技術の進歩により、より複雑な形状の曲げ加工が可能となり、製品の機能性やデザイン性が向上しています。また、曲げ加工の自動化や省力化も進展しており、生産性を向上させています。

鋼材の曲げ加工は、様々な分野で活用されていることから、今後も技術開発が進むことが期待されます。

金属加工のお悩みの企業様へ

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