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導電性POMとは?特性・用途・選び方まで徹底解説

導電性POMとは?特性・用途・選び方まで徹底解説

導電性POMとは、通常のPOM(ポリアセタール)に導電性フィラーを混合して静電気を逃がす性質を持たせた樹脂です。
POM樹脂の基本特性を維持しながら、
静電気対策が必要な電子機器や精密装置に多く使用されます。
本記事では、導電性POMの構造や特性、一般POMとの違い、用途、選定ポイントを詳しく解説します。

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目次

導電性POMとは?基本構造と仕組み

導電性POMは、ベース樹脂であるPOMにカーボンブラックやカーボンファイバーなどの導電性フィラーを分散させた複合材料です。
このフィラーが電気の通り道を形成することで、電荷を逃がす仕組みになっています。

POM(ポリアセタール)の基本特性

  • 高い剛性・耐摩耗性を持つ
  • 自己潤滑性があり摺動部品に最適
  • 寸法安定性に優れ、精密加工が容易

通常のPOMについては、POMの特性と用途で詳しく紹介しています。
これらの特性に静電気対策機能を加えたのが導電性POMです。

導電性を持たせる仕組み

樹脂そのものは絶縁体ですが、以下のような導電材を混ぜることで電子が流れる経路が作られます。

導電材の種類 特徴 主な用途
カーボンブラック 最も一般的でコストが低い 静電気対策トレー、カバー
カーボンファイバー 高強度で導電性が高い 機械的強度を要する部品
金属繊維 最高レベルの導電性 厳密な静電管理が必要な環境

導電性POMの導電メカニズムについては、
物質・材料研究機構(NIMS)で詳しく解説されています。

導電性POMの主な特性

導電性POMは、一般POMの機械的特性を維持しつつ、帯電防止・導電性を付与した高機能素材です。

1. 導電性・帯電防止性

表面抵抗値はおよそ10⁴〜10⁹Ω/□の範囲で制御され、静電気の蓄積を抑制します。
これにより、電子部品の破損やノイズ障害を防ぎます。

2. 高い機械的強度と耐摩耗性

通常のPOM同様、高い耐摩耗性を持つため、可動部や摺動部に最適です。
MCナイロンとの比較でも触れましたが、
摩耗粉が少ないためクリーンルーム用途にも適します。

3. 寸法安定性・加工性

熱変形が少なく、切削加工精度が高いのも導電性POMの強みです。
金属部品の代替としても利用が進んでいます。

一般POMとの違い

以下の表に、一般POMと導電性POMの主要な違いをまとめました。

項目 一般POM 導電性POM
電気特性 絶縁体 導電性あり(10⁴〜10⁹Ω/□)
用途 ギア、ローラー、ベアリングなど 静電気対策部品、電子機器カバー
色調 白またはナチュラル 黒(カーボン充填による)

導電性POMの主な用途

導電性POMは静電気を嫌う環境で幅広く使われています。特に電子部品製造・搬送工程では欠かせません。

  • 半導体製造装置のトレー・治具
  • 電子機器内部のギア・ローラー
  • 静電気対策を要するカバーや筐体

静電気対策設計の基準値については、
JIS規格関連(JSA)でも参照可能です。

導電性POMを選定する際のポイント

用途に応じて、導電レベルやフィラー種別を適切に選ぶことが重要です。

  • 必要な表面抵抗値(静電気除去レベル)
  • 機械的強度・耐摩耗性
  • 成形・加工性

たとえば、強度が求められる場合はカーボンファイバー系、加工精度重視ならカーボンブラック系が適しています。

Q1. 導電性POMと通常のPOMの違いは何ですか?

導電性POMは、通常のPOMにカーボンブラックやカーボンファイバーなどの導電性フィラーを加え、静電気を逃がす機能を持たせた樹脂です。一般POMが絶縁体であるのに対し、導電性POMは表面抵抗値を10⁴〜10⁹Ω/□に制御できる点が異なります。
POMの種類と違いについては、ホモポリマーPOMとコポリマーPOMの違いで詳しく解説しています。

Q2. 導電性POMはどのような用途に使われますか?

導電性POMは、静電気対策が求められる電子機器部品、半導体製造装置、搬送用トレーなどに使われます。摩耗しにくく寸法安定性に優れるため、精密機構部品にも適しています。
静電気対策の基準値についてはJIS規格(JSA)を参考にするとよいでしょう。

Q3. 導電性POMの選定時に注意すべきポイントは?

導電性POMを選ぶ際は、必要な導電レベル(表面抵抗値)や用途に応じたフィラーの種類を考慮することが重要です。強度を重視するならカーボンファイバー系、加工精度を重視するならカーボンブラック系が適しています。

まとめ

導電性POMは、POMの優れた機械特性に導電性を加えた高機能樹脂で、
静電気対策を必要とする電子・精密分野に最適な素材です。
カーボンの種類や導電レベルを理解し、用途に合わせた選定を行うことで、
信頼性と安全性を両立できます。

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