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アルミ加工に最適な旋盤チップの選び方|材質・形状・切削条件から徹底解説

アルミ加工に最適な旋盤チップの選び方|材質・形状・切削条件から徹底解説

アルミ加工において、旋盤チップの選定は仕上げ面の品質や工具寿命を大きく左右します。
同じ「アルミ対応チップ」でも、材質・形状・コーティングの違いによって性能が大きく変わります。
本記事では、アルミ加工に最適な旋盤チップの選び方を、現場視点でわかりやすく解説します。

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目次

アルミ加工における旋盤チップ選定の重要性

アルミは鉄やステンレスに比べて柔らかく延性の高い金属です。
そのため、切削中に切りくずが溶着しやすく、工具刃先に「溶着物(ビルトアップエッジ)」が付着してしまうことがあります。
これを防ぐには、アルミ専用の刃先形状・材質を持つ旋盤チップを選ぶことが不可欠です。

汎用チップとの違い

鉄鋼用チップでは刃先がやや鈍角で、アルミ加工には不向きです。
一方、アルミ専用チップは鋭角で鏡面仕上げの刃先を持ち、切削抵抗が低く、滑らかな仕上げを実現します。

旋盤チップの種類と特性

アルミ加工に使用される旋盤チップは、主に以下の3種類に分類されます。

チップ種別 特長 適用例
ノンコート超硬 摩擦抵抗が少なく、溶着しにくい 高精度仕上げ加工
ダイヤモンドコート 耐摩耗性が高く、寿命が長い 量産・連続加工
CBN(立方晶窒化ホウ素) 硬質アルミ合金やSi含有材に対応 高硬度アルミ材の切削

ノンコート超硬チップの利点

ノンコートタイプは表面が滑らかで、アルミの溶着防止性能に優れています。
また、切削面が美しく仕上がり、加工精度が求められる航空部品などに適しています。

ダイヤモンドコートチップの利点

ダイヤモンドコートは摩耗しにくく、長寿命が特徴です。
特に大量生産ラインでの安定加工に適しており、切削コストを低減できます。
ただし、衝撃に弱いため荒加工には不向きです。

アルミの種類別おすすめチップ選定

アルミ合金にはA1050やA6061など複数の種類があり、組成によって切削性が変化します。
以下の表では、代表的なアルミ材と推奨チップの関係を整理しました。

アルミ材質 特徴 推奨チップタイプ
A1050(純アルミ) 柔らかく展延性が高い ノンコート超硬チップ
A6061(汎用アルミ合金) 機械的強度が高く加工性も良好 ダイヤモンドコートチップ
A7075(超ジュラルミン) 強度が高くSi含有 CBNチップ

材質ごとの選び方ポイント

  • A1050など軟質材:刃先を鋭く、切れ味重視。
  • A6061など汎用材:バランスの取れたチップを選定。
  • A7075など高強度材:耐摩耗性の高いCBN系を選択。

旋盤チップの形状とブレーカ設計

チップ形状は加工対象や切削条件によって選びます。
アルミ用では、切りくず排出性を重視した広いチップブレーカが有効です。
また、負のすくい角よりも正のすくい角が滑らかな切削を実現します。

主な形状記号の理解

例:CCGT060204
C:80°菱形
C:すくい角付き
G:公差(高精度)
T:チップ形状
060204:サイズ・厚み・コーナーR

このようなチップ記号を理解しておくと、メーカー選定時の比較が容易になります。

切削条件とチップ寿命の関係

アルミ加工では、適切な切削速度・送り量・切込みが寿命を左右します。
特に切削速度が速すぎると刃先温度が上がり、溶着や摩耗を促進します。

推奨切削条件(目安)

材質 切削速度(m/min) 送り量(mm/rev)
A1050 500〜1000 0.05〜0.2
A6061 400〜800 0.05〜0.25
A7075 300〜600 0.05〜0.15

加工精度を高める実践ポイント

  • チップ装着面の清掃を徹底する。
  • 切削油を適切に供給して溶着を防止。
  • 工具ホルダーの剛性を確保し、振動を抑制。
  • 切削条件を定期的に見直す。

よくある質問

アルミ加工で使用する旋盤チップの材質はどう選べばよいですか?
アルミ加工では、切削性や被削材の種類に応じてチップ材質を選びます。純アルミ(A1050)にはノンコート超硬、A6061など汎用材にはダイヤモンドコート、A7075など高強度材にはCBNが最適です。
アルミ材ごとの切削特性について、詳しくはアルミの表面仕上げ向上法で解説しています。
また、技術的な詳細は物質・材料研究機構(NIMS)の資料も参考になります。

ダイヤモンドコートチップとノンコートチップの違いは何ですか?
ダイヤモンドコートチップは耐摩耗性に優れ、連続加工や量産向けに最適です。一方、ノンコート超硬チップは表面が滑らかで溶着しにくく、高精度な仕上げに適しています。

アルミ加工時にチップの寿命を延ばすにはどうすればよいですか?
チップ寿命を延ばすには、適正な切削速度と送り量の設定が重要です。過度な速度は刃先温度を上げ、溶着を招きます。切削油の適正供給やホルダー剛性の確保も有効です。
切削条件の設定方法についてはアルミ切削条件ガイドで詳しく解説しています。
また、材料特性に関する研究は物質・材料研究機構(NIMS)の報告も有用です。

まとめ:目的に合ったチップ選定で加工効率を最大化

アルミ加工では、「材質 × 加工条件 × チップ特性」のバランスが成果を左右します。
ノンコート超硬・ダイヤモンド・CBNのいずれを選ぶにしても、
溶着防止・高精度・長寿命の観点から最適な選定を行うことが重要です。

アルミ加工における旋盤チップの正しい選び方を理解すれば、工具コスト削減と品質安定の両立が実現できます。

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